「でも、その未遂で終わった時のことが覚えてないの」



「どういうこと?」



「橋本さんが近付いてきて私の服を脱がそうとした時、誰かが入ってきて私は連れてかれたの。その時になにか匂いを嗅がされて意識を失ったの。気付いたらおばあちゃん家にいた」



「助けてくれた人がどこの誰なのかわからないの?」



「うん。だから、もし会えたらお礼言いたいんだ…私を地獄から救い出してくれた人に」



「それ、いつの時?」



「え?高1の時だけど…」



「なるほどね…」



「え?なにがなるほどなの?」



「なんでもないよ」



「それにしても、姫歌がこんなんになってるのに蓮くんは一体なにを考えてるのかしら?岡本菜々と一緒にいるなんて」



「菜々ちゃんは蓮にとってそれだけかけがえのない人だってことだよ」



「姫歌…」



「姫歌ちゃん、俺が蓮をなんとかする」



「奏くん…」



「だから、後夜祭はちゃんと出るんだよ」



「うん…」



本当は出ないつもりだったけど奏くんがそう言うなら信じて待ってみよう















「みなさ〜ん、2日間、お疲れ様でした〜!今から後夜祭を始めま〜す!!好きなものを食べてくださ〜い!!」



桜さんの声と同時に一斉に動き出した生徒たち