☆暴走③☆ Side丹羽

桜木の家の前に来ると、ガシャガシャとした音が聞こえる。
俺は、乱暴にドアを開けて叫んだ………。

「桜木!?」
「?!!?!???!?!???!!!」

その場に居た全員が、俺の方を見てビックリしていた。
ただ、桜木だけはなぜか暴れていた……。
どういうことだ………?
頭の中を整理しようとしてもできなかった…。

俺は、無言で桜木に近づいた………。
桜木は一歩ずつ後ろに下がっていく……。

__トン……

桜木の背中が壁にぶつかった。
周りを見渡すと、皆家から出て行ったのか、シーンとしていた……。
俺は壁に手をついて、桜木を逃がさないようにした。
世に言う壁ドン状態だ。
すると、桜木は………………。

「……離れて…」
「無理。俺、諦めワリィからさ」
「お願い……関わらないで…」
「それも無理。桜木が話してくれるまで、離れねぇから」
「……」

桜木は、ジッと俺のことを見つめているだけ話そうとはしない。
顔を近づけると、下を向く。

でも、凄いな……この部屋…………。
あちらこちらに穴が開いていて、ガラスも割れていて、しかも血がついている……。
桜木の手や腕を見ると、切って血が出ている。

「なぁ…話してくれねぇの?」
「……」

そろそろ、イラついてきた俺は、自分でもとんでもない行動をしていた………。

「……ん!?」

桜木と唇を重ねていた_____
少し、血の味がする……。

ゆっくり話して俺は言った……。

「何かあるなら話せよ。もう、これは放っておけねぇよ……」

すると、桜木が………。

「もうちょっと…時間ちょうだい……」

そう言って、スルリと壁ドン状態から抜けだした桜木は、家を出ていった……。

「何してんだよ俺………」

そっと唇に触れて、ポツリと呟いた___