なに? 「竜也? どうした……」 えっ? 「花澄?」 一瞬、何が起こったか分からなくて……。 力強く引き寄せられて、遮られた視界と耳元で聞こえる竜也の声。 寒かったわたしの全身が一気に熱くなった。 今までで一番近くにいる竜也に、わたしは呼吸するのも忘れるくらい、戸惑っていた。