「ど、どうしたの?」 わたしも足を止めて、顔を上げる。 竜也が振り向いて、わたしの瞳を捕らえる。 その澄んだ瞳に吸い込まれるようにわたしも目が反らせないでいた。 波の音に被さるように響く心臓の音。 竜也に聞こえてしまうんじゃないかと思うくらい激しく動く。 「な、何?」 そう問いかけるのが精一杯。 でも、竜也は何も答えずにただただ、わたしを見つめてるだけ。