クリスマスも近づいた12月半ば。 閉め切った教室内にお弁当のにおいがこもる。 「本当、つまんないよね。何か、楽しくなーい! お弁当の時間が唯一の楽しみってどうよ」 その楽しみのお弁当もあと一口。 お母さんの作ったちょっぴり甘めの玉子焼き。 大好きな玉子焼きをほおばってお弁当のふたを閉める。 「またー。どうしてそう、毎日毎日、楽しくないかな?」 「だってさー、深夏はいいよ。カッコいい彼氏がいてさ。 わたしなんてもうすぐクリスマスだっていうのに彼氏いないもん」 ため息が出る。