口を開くこともなく、じっと目の前の海を見つめる竜也。 わたしも目の前に広がる海に視線を移す。 先が見えないくらい広い冬の海。 もしよ、もし…… 竜也の心がこーんなにも広かったら……。 わたしの気持ち、受け止めてくれるのかな……? わたしのこと、好きになってくれる? ……なんてありえないことが頭に浮かぶ。 寒さのせいか、おかしくなってるかも……わたし。