電車から降りると、目の前には海が広がっていた。 「こんなところに海があったんだ……」 「お前、何年ここに住んでるんだよ! 信じらんねー」 竜也が大きくため息を落とす。 そんな、呆れなくても……。 「だって、こんなところまで来ないもん」 「まっ、今日はひとついい勉強になったな!」 竜也はまるで小さい子供をあやすようにわたしの頭をポンポンっとたたいたんだ。