幼馴染の魔法






放課後になり、私はマフラーをゆっくりと巻く。

「帰る準備、できた?」

「あ、うん」

隣で素っ気なく話す淳に、私は返事をして、一緒に教室をでる。

最初はこういう風に一緒に帰ることに、クラスの子は騒いでたけど、数を重ねて行くうちにいつの間にか当たり前のように受け入れられていた。

「……外、寒いねー」

「そんな重装備でなに言ってんだよ」

「うるさい。……そういえば淳はさ、どこの高校受けるの?」

「俺はどこ受けても受かるからいーの。そういうお前はどこなんだよ。って、お前の場合行けるとこ限られてるもんな」

「うるさいチビ」

私がそういうと、頭にゴツンと重い一撃。

「高校生になったら、お前より10cm高くなってやるからな」

「えー? うっそだー。せめて5cmでしょ」

「うっせ、おぼえとけよ?」

「ってか、話そらさないでよ。どこの高校にいくの?」

「しつこい。お前のいけないところ」

……またそうやって嘘ついて。
どこの高校に行くの?っていう質問、私は何回淳にしてるんだろ。

何回きいても、淳は教えてくれないんだけどね。