私は中学2年生の時に
初めて家出をした。
行くあてもなく、お金も無く、向かった先はただただ人がたくさん集まる場所…
新宿区 歌舞伎町
キラキラと異様な輝きを見せるネオンが
まだ中学2年生だった私には、ものすごく綺麗に見えた。
家には医者の父、そして専業主婦の母
2人とも名門大学卒業の世に言う勝ち組の人達
周囲からの視線が他の人達とどこか違っていたのに気付いたのはいつからだろう…
もちろん父と母は厳しかった。
年齢が上がるごとにどんどん濃くなる2人からの無言の圧力
耐えきれなかった
私は2人の思い通りの子供になれなかった
周りからの期待の視線もストレスだった
だから私は家を出た
母に隠れながら練習していた化粧
お年玉って買った少し高いヒール
小さな鞄に5000円が入った財布とプリペイド式のガラケー
夕飯の支度をしていた母に
「コンビニ行ってくる」
そう言って私は
家を出た
季節は冬
12月の初め
雪が降り始めたころだった…

