わたしは、なな先輩が大好きだ。


家で会っても、学校で会っても

「絢ちゃん!」

って可愛らしい笑顔で手を振ってくれて。


でもそんななな先輩が、海斗の部屋から甘ったるい声をこぼしてた。


「んっ……ひろと…っ」

急遽キャンセルになった友達とのお菓子パーティーのおかげで早く帰ってきたら嫌なものをきいてしまった気分。

あんなに真っ白で清純そうななな先輩がこんな声を、ってゾワッとした。