あたしの前の彼





そう言って踵を返そうとしたななの左手を掴んだ。


「ごめん、わがままいうけど聞いて」


「……?」

首をかしげるなな。あーもう可愛いな


「いっしょにいて…くんない?」

やっぱりしょうじき、一人は寂しかったりする。


ななは、いつもの笑顔で「もちろん」って言った。

「お邪魔します」


そう言って向かったのは、台所だった。

「おかゆ、作っていい?」

「あー、うん」


部屋に戻るのが惜しくて、リビングのソファで料理をするななを見ていた。