例え振られようとも。


後悔しない為にも。


自分の好きな気持ちをしっかりと伝えるんだ。


今日はその告白の待ち合わせをしてもらう為に声を掛けようと教室から出てくるのを待っていた。


ドキドキ…。


胸の鼓動が止まらない。


あぁ、早く来て欲しい。


もう、緊張と言う名の山の山頂で日の丸を振っている私。



「あっ。」



出て来た。


じっと見つめていた教室の扉がスッと開き、私の大好きな人、俊君が友達2人と仲良く廊下に出て来た。



「咲、ガンバ!ガンバ、咲!」



自分で自分を励ましながら、思い切って俊君の前に飛び出した。



「し、俊君。」



「おう、川上か。どうした?」



特に驚く様子も無く答えてくれる。


俯いていた頭を上げる。