次々と疑問が浮かぶものの、今すべきことはそれではないとそれらを思考回路から追い払う。


「とりあえず、ウェズリアに行こう。〈千年霊木〉に入るのは、なんとかする」


 あたしの言葉に、全員が頷いた。

 転送魔法陣を構築していると、紗桜が、「麻央」と声をかける。

 
「ここまで話を聞いていたんだもの。それに、本当にルクティアが関係しているのかも気になる。私も何か力になりたいわ。けれど今はまだ私はここを離れることはできない。だから代わりにルクレーシャに行かせるわ。それでいいかしら」


 その心遣いがなによりも嬉しかった。

 紗桜の美しいオッドアイを見つめ、頷く。


「ありがとう、すごく心強いよ」


 あたしたちは、紗桜と別れ、ウェズリアに転送魔法陣で飛んだ。