「懐かしい。 カラムは私も両親に小さいころ、城下町に連れてきてもらったとき、よく買ってもらいました。 最近は忙しくて食べれてなかったかも」

「オレは食べたことないです」
   

 クレアに、ショウまで……!


「あー、俺も食べたことないな~。食べてみたいな~。でも、今俺たち、任務中だよなぁ~」


 シュガー!

 くふぅ。
  
 痛いところを突いてきて……。

 確かにあたしたち、今任務中だぁ。

 しかも、まだなんにもしてない……。

 うぅ。

 今回は諦めるしか……。

 すると、そこに伸びた神様の手!


「それでは内緒で買いましょうか。 カカオ陛下には黙っておきますので。それにあそこの木陰なら涼しいですし、そんなに人もおりません。今なら目立たないでしょう。それに、先程聞こえたんですが噂されていた親子は午前はお仕事で大抵家にいないそうです。今はまだ昼前。ちょうどいい時間潰しになるでしょう」


 クコ様!


「ありがとう! クコ! 大好き!」


 さっきも言ったようなセリフを吐き、あたしはクコに抱き着いた。

 クコは困ったような笑顔を見せて、皆には苦笑された。


「目隠しなら任せてね」


 防御結界を応用してうまく周りから認識されづらくさせるのだ。

 ああ、防御結界覚えておいてよかった!

 あたしたちがいそいそと移動して場所をとり、結界を貼り終わる頃には、クコは全員分のカラムを買ってきてくれた。