そうとも知らずに女の人は尚も話続ける。
『そういえば…名前は？』
『渡瀬…咲花…です』
『咲花ちゃんか。よろしくね』
『は、はい…えと…あの…』
　どうも言葉が出てこない。
　言いたいんだけど言いにくい。
『あぁ、私の名前？』
(コクコクっ)
　とりあえず、声がなかなかでないので、必死に頷いてみることにした。
『私の名前は、新居桜、六年生だよ』
『ふぇ！！？』
　六年生という大先輩の壁を目の当たりにしたと気づいた私は、即座に奇声を上げ、後ろに後退り、何故か土下座をした。
『えぇ！？咲花ちゃん！？』
『ふぅお！？なんかすみません！！』
『あっはっはっはー！
新居、何二年生怖がらせてるんだよー』
　と、どこから来たのか、いつのまにやら大きな先輩パートtwo状態に。
『智の妹ちゃんだよね？』
『え、あ、はい』