私は、私が頑張ってるのを知っている。だから、私を応援してあげるのも、みとめてあげるのも、肯定するのも私なんだけど……。
なんか、おとぎ話にありそうだな。
でもきっと、これが反対の立場だったらもっと辛いんだろうな。
つまり、兄が私より劣っていたとする。それはきっと、兄の立場などないだろう。「お兄ちゃんのくせに」だなんだと言われる。そう考えると、私の立場はまだ不幸中の幸いといったところだろうか。
でもまぁ、頑張っても報われない辛さに代わりはないのだけれど。
過度な期待もいやだろうけれど、何も期待されない。むしろ関心を持たれないのも辛い。つまり、兄も私も辛いんだ。
『はー……』
溜息をついては、部屋の隅にある埃かぶった写真を見つめる。
お母さん、お兄ちゃん、お父さん。
まだ家に笑顔があった頃。
毎日が楽しかったのに。
いつの間にこうなってしまったのだろうか。きっと、少しずつ、少しずつ着々とその根は腐っていったのだろう。今更、どうすることも出来ない。