吹奏楽というもの自体に誘ったのは、他でもない、先生からだったのだから。 むしろ、兄と直接対決できる場を与えてくださった先生に感謝をしている。
とは言え、私なんかにわざわざ話しかけてくださっていた多村さんに、そんな声をかけるだなんて……私、『責任』に潰されてしまいます……。
『よし、じゃあ全員そろった?』
『はい!』
音楽室全体が轟くような大きな返事。
思わず息を呑む。
『今日、見学者が来てたのは知ってるな?そこで問題。この女の子、ここにいるある人の妹だ。
その【ある人】を当ててごらん』
しーんと、なっていた音楽室は、一気にざわつく。
あ、こんな雰囲気も出来るのか。
失礼ながら、軍隊のように、常に切羽詰っているようなイメージだった。
『俺の、妹です』
暫くしても、答えが出なかったからか、兄が嫌々そうに自ら手を挙げた。
……悪かったな。と心の中で一声。
とは言え、私なんかにわざわざ話しかけてくださっていた多村さんに、そんな声をかけるだなんて……私、『責任』に潰されてしまいます……。
『よし、じゃあ全員そろった?』
『はい!』
音楽室全体が轟くような大きな返事。
思わず息を呑む。
『今日、見学者が来てたのは知ってるな?そこで問題。この女の子、ここにいるある人の妹だ。
その【ある人】を当ててごらん』
しーんと、なっていた音楽室は、一気にざわつく。
あ、こんな雰囲気も出来るのか。
失礼ながら、軍隊のように、常に切羽詰っているようなイメージだった。
『俺の、妹です』
暫くしても、答えが出なかったからか、兄が嫌々そうに自ら手を挙げた。
……悪かったな。と心の中で一声。


