死んだ方がいいのかな…。
『おし、えーっと…咲花…でいいかな?』
『……はぇ!?あ、全然!なんとでも呼んでくだせぇ!』
『ぷっ!なんなのもう(笑)
 んじゃあ咲花、この、マウスピースについて説明するよ』
 多村さんは、ふざけていた顔から一見変わって、とても真剣な眼差しで私に話しかけていた。
『多分、新居に口を振動させて音を出すっていうのは聞いたよな?』
『あ、はい』
『ここに口をあてて…って実際にやる方がいいよな』
 多村さんはそういって、少し小さめのマウスピースを私に渡してくれた。
『おし、じゃあ口に当ててみ?』
『……こうれふか?(こうですか?)』
『ぷっ…そうそう。
 あ、でも、もう少し真ん中にするともっといいな』 私は、言われた通りマウスピースを真ん中に押し当てた。
『ん、そうそう
 したら、口を…ぶーーーってやってみ?』