突如、男の手に持っていたナイフが何者かによって凪ぎ払われた。

「……っ?!」

「くっくっ
 
困りますよ、今あなた様に死なれるわけにはいきませんから」

「誰だ?!」

「おっと、申し遅れました

私は、あなた様に忠誠を誓う、しがない魔法使いにございます」


魔法使いは、ローブのようなものを身にまとい、男の前に現れた。

「いや、実は先ほど、あなた様の御様子を拝見させていただいたのですが……

あなた様の腕に抱かれている女性、確かラルカ様と言いましたか……



……そのお方は先ほどなくなられたのですね?」



「っ……うるさい!!

お前には関係ない!」

「……」

「私が、ラルカ様を甦らせることができると言ってもですか?」

「……っどういうことだ?」

「ですから、私がラルカ様を甦らせることができると言ったのです」

そういうと魔法使いと名乗った者はニヤリと笑い、男の前に膝まずいた。