私は、君しか…



書いた紙を結城さんがいない時に机の中に入れる。
ずーっとニヤニヤしてる麻衣の頭をひっぱたいて、ジュースを買いに購買まで歩いた。



「なんて来るかなぁ。私の予想ねっ」
「はいはい」



軽くあしらっていると、前から見覚えのある女の子が。
話すのをピタッとやめた麻衣が、駆け出していく。



「梨奈ぁぁあっ!」
「あ、麻衣ちゃん」
「梨奈、今日も可愛いよぉ」
「えへへ、麻衣ちゃんの方が可愛いよ」



時々、よくこんな奴と友達になれたなと思う。
こんな奴にも、この梨奈ちゃんっていう可愛い彼女がいる訳だけどね。



「おはよ、陽菜ちゃん」
「おはよう」
「梨奈、誰もいないところ行こう。そんでもって私とにゃんにゃ「場をわきまえろ」



イチャイチャし始めた二人は置いておいて、お目当てのジュースを購入。
そのまま教室に戻ると、机の上に見覚えのある紙が。



「…あ、」



さっき、入れたやつ。
結城さんの方を見ても、相変わらず本を読んでいるだけだった。

麻衣いないけど、読んじゃうか。
入れた時より、さらに小さく折りたたまれたそれを広げる。



“嘘つき”