「はぁっはぁはぁ。」

もう息がき切れてきた。浴衣って思い！しかも下駄！走りにくいよ！

心の中で文句を吐き出しながらただただ集合場所を目指して走る。

すると、途中で、何人かの人にぶつかった。

「きゃー！」
「いって！！」

顔を上げると、ぶつかったのは私より二つくらい年上の怖い感じの男の人三人がいた。どうやら、この三人にぶつかったみたい。

「ったく、どこ見てんだよ！」

そう叫ばれた。

「す、すみません！」

必死に謝った。集合場所まで後ちょっとなのに〜...!

「おっ！よく見たら、可愛いじゃん！ラッキ！ねぇ、許してあげるから俺たちとちょっと付き合ってよ。」

そう言われた。

私の本能からやばい！と感じた。
後ずさりをしたが

「ねぇ、いいでしょ？」

そう言ってすぐに腕を掴まれた。

「あの、すいません！私、約束があるんで離してください！」

そう言っても、

「んなの、ぶつかってきたそっちが悪いだろ？早く来いよ！」

そうして、私は男の方へ引き寄せられた。周りの人も見て見ぬふり。

怖くて、声が出なくなった。