そんな日が続いたある日の夜、何だか眠れず、起きて、窓から見える星を眺めていた。すると、ガラッと扉の開く音がした。てっきり看護師さんが来たのかと思って急いで布団に隠れた。けれど、そこにいたのは、看護師さんではなく、1人の男の子だった。

「今日は珍しく起きてるんだ。話す のは初めてだな。はじめまして、俺は、山崎 隼人(はやと)。隼人って読んでもらったらいいよ。これからよろしく。」

そう言って自己紹介をする隼人の姿をぽかんと見つめていた。
はっと我に返り、

「えっと、神崎 ひなたです!年齢は同じときいています!!こちらこそよろしくお願いします!」

すると、隼人はクスクスと笑って、

「固い固い。同い年なんだから敬語はなしで。っていうか、こんな時間まで何してたの?」

隼人に質問されたが、何をしてたと聞かれると、なんて答えたら良いのかわからず

「星、見てた。綺麗だから。」

私がそういうと隼人も窓に方を見て、

「ほんとだ。今日は星が綺麗だね。」

何分か星を見ていると、流れ星を見つけた。

「あ。」

隼人と声が重なった。2人で顔を見合わせて笑った。

「何か星が降ってるみたいだね。」

隼人がそう言って、流れ星が見えなくなった空を指さした。
こうして、何分か星を見ていると、

「俺、本当は手術が怖いんだ。だから、こうして毎日じっとしてられなくて動き回ってる。」

隼人がそう言って初対面の私に打ち明けたのは正直びっくりしたけど、せっかく打ち明けてくれらからにはと思って何を言えばいいのか必死に考えた。

「でも、今の医学の技術はすごいから、手術しない方がダメというか、危ないと思うよ!」

我ながら、必死で出した言葉がこれかと呆れた。
すると、隼人がまた笑って、

「サンキュ。何かわからないけど、勇気出たわ。」

そう言ってニカッと笑った。