その時だった。

「すいません。この子俺の連れで、ちょっとドジなだけなんです。悪いけど、こっちの方が先約なんで、失礼します。」

そう言って、あっさりと私の腕を男から引き剥がしたのは、隼人だった。

「チッ!彼氏様登場かよ!」

そう言って男たちは、その場を後にした。私はその場で力が抜けへたり込んだ。

「おい!大丈夫だったか?何にもさせられてないか?怪我はないか?」

隼人が心配して、顔を覗き込む。

「大丈夫。ちょっと怖くって。...でも、ありがと。」

恥ずかしながらもそう言った。

「こんくらい当たり前だろ?ひなたは俺の彼女なんだから。手術の前日、俺はお前に助けられたろ?だからこれからは、俺がお前を守る。...って何かくさいこと言ったな。」

そう言って、隼人は笑った。

「ううん。嬉しいし、何かかっこいいよ。」

すっごく恥ずかしいけど、うつむきながらそう言った。

「お、おう。」

隼人も照れたみたいで、うつむきながら返事をした。

「じゃあ、行こっか?」

そう隼人がいい、私達は歩きだした。