彼女達を見ている間に委員長は私のすぐ横に来ていて、廊下側のドアを閉めるよう手早く指示をする。

彼女は...霧島さんは、もう誰だかわからないくらいくちゃくちゃで、私は見ることしかできなくて、それでも助けたかったって思うのはおかしいかもしれない。

教室の中から机や椅子でドアを固定し、侵入を防ぐ。
だが、これが得策だろうか?
その答えは誰にもわからない。

ひとまず教室に残っているクラスメイト達を見渡す。
クラスメイト40人もいたこの教室にはたった9人しかいない。
どの人も体が震えている。私も、震えている。
止められない。怖くて、ただ怖くて、正直自分が生きてて良かったとホッとしている。
目の前で見た仲間の死を思い出し吐きそうになる。
本当に、なんて日だ。

「お、お前ら、見たか?あれ」
「私、怖いのすっごくダメで、悲鳴聞いただけで動けなくなっちゃってて...」
「俺みたよ。里見が血まみれだった。」
みんな動揺を隠せない。もちろん私も。

「みんな聞いてくれ。僕もあんまりわかんないんだけど。
教頭も...松末も目が充血してたんだ。もしかしたら、ニュースで出てたとある地方のウィルスに関係しているんじゃないかって思う。」
委員長は自分の考えを述べる。
さらに動揺するみんな。何が起きてるかは、はっきりわからない。だけど、危険な状況であることはわかった。

そして、私は思い出した。

私は知ってる。
委員長が次に言う言葉を。