教室に入ってきた教頭は1番後ろの席にいる私にでもわかるくらい顔色が悪かった。



委員長の竹林 優希(たけばやし ゆうき)君が先生に駆け寄る。

「先生、大丈夫ですか?保健室行きましょ?
顔色が悪いですよ。」


「い、いいんだ。保健室はも、もう、いっぱ、いでな。ゴホッ。」


「どういうことですか?
ほとんど誰も使わない保健室がいっぱいになるわけないじゃないですよ。」


「き、今日は、朝からどの先生も咳をしていてな。

あんまり気にしていなかったが、そのうち倒れる先生が出てきてな。

元気のある先生に家まで送ってもらってるんだ。

それで今送ってる最中で、保健室はいっぱいなんだ。

ということで、今日の授業はここまでだ。


荷物をまとm、ゴッホ、ゴッホォ!うぇ…!」



え。


血?なんで…教頭から?

「先生大丈夫ですか!?
僕の肩に捕まっててください!
誰か!手を貸してくれ!」


慌てて、男子が一人(松末君)が手伝いに入る。
ゆっくりと廊下に出て、保健室に向かう。

騒ぎ出す教室。隣のクラスも大体のことは理解しているようだ。

凄いな委員長は。すぐ行動できるし、
入学して間もないはずなのに、人望もあるなんて…。

そう、思いながらも窓から隣の棟にある保健室を見る