記憶の片隅に―I don't forget you―

次々と自己紹介がされていく。


「えーと、優太と同じK大3年の大塚智也(オオツカトモヤ)です。普段は、大学近くの居酒屋で串カツ揚げてます。今度、飲みに来てね」



シルバーのアクセサリーを身に付けた男は、お調子者なのか、すごく愛想がよかった。


普段はガードの堅い玲子ですら、目の前の男たちに柔らかい表情を見せている。

珍しい。……かなり。


スキー場という、非日常の空間だからなのかな。


美香に至っては、いつもと変わらない。


相変わらず、男に可愛く見せる術を持っている。


私は……やっぱり、こういう席は苦手だ。


そして、最後は私の目の前に座る人。


「亮の番だぞ!ちゃんと自己紹介しろよ」