記憶の片隅に―I don't forget you―

「ねぇ、いつまでこっちにいるの?」


真冬だというのに、こんがりと日焼けした男が、身を乗り出して尋ねてきた。 

「明後日まで。あたしたち、今日こっちに着いたばかりだから。ね?」


美香が、玲子と私に同意を求めるように促した。


「うん」


小さく頷くと、


「そっかー!気が合うな!俺たちも今日来たところ。もしかして、同じ電車だったかもしれないね。

ところでさ、みんなの名前を教えてよ!俺は、安藤優太(アンドウユウタ)。K大の3年。で、ここにいる二人とは、同じサークルの仲間(ツレ)なんだ」


――…!!!


何、これ!いきなりナンパだか、合コンみたいなことになっちゃって。


普段は冷静な美香も玲子もなんだか乗り気だし、どうなってるの?


あぁ、嫌だ。