記憶の片隅に―I don't forget you―

「――美波!急にいなくなるからビックリしたじゃん!」


「ホントだよ。戻ってきたら姿がないからマジで焦ったよ」


「ごめんごめん。やっぱり、私にはスキーは向かないわ。もう、ダメ!」



「何、言ってんのよ!まだ、着いて1時間しか経ってないんだよ。そんなにすぐに滑れるわけないじゃん!美波は諦めるのが早すぎなんだよ」 


「そうだよ、玲子の言う通り!」



「でもさぁ……」



「ねぇねぇ、君たち、学生さん?」



……はっ!?


いきなり会話に飛び込んできたのは、さっきのチャラ男の一人だった。 



「はい、そうですけど」



3人の中で一番しっかりしている玲子が、事もなげにあっさりと応えた。 



「そうなんだぁ!俺たちも学生だよ。どこから来たの?この辺の子たちじゃないよね?」