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終点・東京のアナウンスが入り、背伸びをして網棚に載せられていたボストンバックに手を伸ばした。


一旦、座席の上に置き、ファスナーを開け、荷物をまとめると、すぐさま立ち上がった。


後ろの出口から出ようと、狭い通路に並ぶと、まだ座ったたまま俯いた彼の姿が視界に入った。


それにしても、本当によく似ている。


サラサラの髪の毛、よく通った鼻筋、切れ長の目。



世の中には、自分を含め瓜二つの人間が三人存在すると聞いたことがあるけど、本当にそっくりだ。 


あと一人、揃ったらどうなるんだろう……。


彼の横を通り過ぎると、すぐさま、彼がスッと立ち上がった。 


思わず、肩を竦めた。 


真後ろに彼がいると思うと、またしても、ドキドキして心が落ち着かない。 



仄かに漂ってきた彼の匂いに、遠い昔を思い出した――。