【短編】ソーソー教の教祖様

すると、

「バカだなアキ。トランペットはドとソの指が一緒なんだよ。

両方とも、なにも押さえないで吹くの!」

勝ち誇ったようにカズオが笑う。

「じゃーさぁ、どうやって吹き分けるのよ。ドとソを」

「それがわかんねーんだよ」

「だめじゃん」

あたしが呟くと、

「友達が言うにはさぁ」

とカズオが言う。

「ドはドを出す感じで、ソはソを出す感じに吹くんだってよ」

「なにそれ?」

「なにそれ? だろ? 意味わかんね」

カズオはまたふてくされる。

「でも、ドは出るんでしょ? どうやって吹いてるの?」

「ドを出す感じで」

ドーと言いながら、カズオが笑う。

「じゃ、ソーって吹けばいいじゃん。やってみ」

あたしに言われて、カズオがトランペットを構える。