【短編】ソーソー教の教祖様

バイト代10万をはたいて買ったトランペット。

壊れるのは嫌らしい。

あたしは苦笑いを浮かべながら、カズオの元に歩いた。

クッションを引き寄せ、カズオの前に座る。

「オレ、ダメだぁ。やっぱり、生まれたときからサックス吹きだもん。

トランペット吹きじゃないもん」

金色の楽器を手の中でいじり、悲しそうに言う。

「しょーがないじゃん。自分が悪いんでしょ。

ライブまで日にちもないのに、トランペットの人と喧嘩して『やめちまえ!』なんて言うから」

あたしが言うと、

「う、まぁ、そうだけど」

目をそらして、カズオが呟く。