【短編】ソーソー教の教祖様

「やばい! ドが出ねー!!」

泣きそうな目であたしを見る。

「しらないよー」

あたしはすっぽりと布団の中に隠れた。

「おい。出て来いよ。そして、オレにドの口を教えてくれ」

カズオが、布団の上からあたしを揺り動かす。

あたしはほんの少しだけ顔を覗(のぞ)かせて、

「無理」

と笑顔で答えた。

「だって、あたしソの音しか出ないもん」

「だぁー!!」

とカズオが叫んだ。

「やっぱりお前は、ソーソー教の信者だったのか!! もしくは教祖様なのか!!

ソーソー教を世の中に広めてなにが狙いだ!!」

トランペットを持って、暴れまわる。

「違うし。なにも狙ってないし」

そんなカズオを眺めながら呟いた。