家につくと、あたしはすぐに亜耶にラインでメッセージを作った。


《無事に帰ったら連絡すること！》


可愛いスタンプ付きでそれを送る。


「あたし、なんだか亜耶のお母さんみたい」


自分でそう呟き、笑う。


亜耶は昔から可愛かったから、その分女子たちから嫌われる存在だった。


告白を受ける度に亜耶の周りからは友人が離れていき、根も葉もない噂を立てられた事もある。


だけど亜耶は相手の女子を責めることはしなかった。


それ所かイジメ似合っている事にも気づかないふりをしてニコニコと笑っていたのだ。


最初はあたしも亜耶に敵対心を持っていた。


小学校の頃片想いをしていた男の子が亜耶の事が好きだと知り、勝手に嫌っていたのだ。


でも、決して人の悪口を言わないで笑顔を浮かべる亜耶を見ていて、徐々にその気持ちは薄れていった。