私の言葉に皆絶望していた。
 もう、数分前の楽しそうな声は聞こえてこない。
 私は立ち上がり、ヨロヨロと愛する彼氏…翔汰の元へ行った。
 ほんの数メートルが、とても長く感じた。
『翔汰…』
『ん?』
『これから…どうなるんだろうね?』
『…わかんない…』
『う、ん…』
 上手く笑えない。
 手足がガクガクと震える。
『大丈夫か?』
 翔汰はそういって、私の手を握った。
『ザザ…あーあー…よし、こんにちは。2年A組の皆さん』
 スピーカーから聞こえてきた声は、数分前、悲劇を知らせる放送の主の声と同じだった。
『こんなことになってしまって…怖いですよね??』
『なん…なの?』
『あらあら、そんな顔をしないでください。渡瀬香奈さん?』
『な!?』
 スピーカー越しでどうやって私の表情を見たのだろうか。どうして私の名前を知っているのだろうか。