『明日………は終わります』
　いきなり聞こえた聞きなれない男の人の声が、学校のスピーカーから突然と流れ出した。
　ノイズが入り何が終わるのか、私には聞き取ることが出来なかった。恐らく誰も聞き取れなかったのだろう。
　一瞬の静寂。
　クラスの皆は顔を見合わせた。
　一人一人…全員の顔をみた。
　そして、氷が溶けたように皆は笑い出した。
　ありきたり。平凡。B級？、
　他にどんな言葉が、私の人生にあうだろうか。
　私の人生は平凡すぎる。なんのために『今』を生きているのかすらも分からない。ただのうのうと生きるという義務をはなしているだけ、生きている理由もなければ、存在している価値すらもない。
　そして今日も平凡と、地球はぐるぐる廻りだすんだ。あんな放送なんか知らないって顔で廻り続ける。
　いつもと同じ。
　あんな放送なんか間違いで、明日はきっと平然ときて、何も終わらない。
　しかし、私、渡瀬香奈は最悪な考えを気づかないふりをしていた。気づいたことに気づいてしまえば、立ち直れない気がしたからだ。