―パラニエスホテル玄関前―


「グループの方までお願いします。」
「畏まりました。」


・・・


それから

一時

沈黙が続いた。

真ん中に座っていた

私は

この空気に耐えられなく

なっちゃって

口を開いた。


「あ、あの、み、南、様・・?」
「・・何?」

「あ、そ、その、先日は、本当に失礼なことをしてしまって・・」
「・・・」

「ごっ、ごめんなさ「ごめん。」


へ・・?

意外にも
言葉を途中で
切られてしまった
私は、

ポカン。

と、

口を開けたまま。


南様は
恥ずかしいのか、
顔を少し赤くさせて、
気を紛らわすかのように
一つ、
小さく欠伸をすると、
私の狭い肩に
顔を傾けた。

そして、

スースー

と、

私の肩を枕に
眠り始めた。


私は
近すぎる
空間の中で
胸をドキドキと
弾ませながら、

そっと、

横を見て

クスッ

と、笑う。


それは、

今までに

見た事のないような

ご主人様の

可愛い

寝顔でした。




続く。