みんなの冷蔵庫(仮)2

「シグマ、八千草重雄を知ってるか?」


入口付近に立ったままの二人の方に声を掛けると、くららがびくんと肩を震わせ、シグマを見た。


「さっき野崎さんの彼て言ってた人?」


シグマはぼんやりいつもの調子で答える。

くららは何をそんなに怯えているんだろう?


「いや、そうなんだがそういう意味ではなく、八千草重雄、源氏名トキオという人間と面識があるかどうかなんだが」


シグマに問い掛けながらも、くららの方にも目を向ける。


「多分ないや。聞いた事ないから」


シグマはあっけらかんと答えたが、くららはチラチラ僕と野崎ちよみとを見、ハラハラしているようだった。