みんなの冷蔵庫(仮)2

「お前はまだうちの使用人だろ?」


掴んでいた僕の腕から、そっと指が離れていった。

俯いてしまった彼女の顔を覗き込むと、照れたように頬を染め、小さな唇を固く結んでいる。


「……うん」


口の中で呟かれた声が、わずかに漏れ聞こえた。

こうして純粋に嬉しそうな反応を見ると、まだ利用価値があると計算しての発言だった事に罪悪感が湧く。

だがそれを振り払う。
迷っている暇はない。