みんなの冷蔵庫(仮)2

私最低だ。


さっき自分が「気持ち自体をなかった」ことにされ、傷ついたくせに。

シグマに同じ事をしようとして。

私の場合はいくらでもごまかしがきくと思って佐田さんなりの気遣いだったんだと思う。

でもこれは違う。

シグマははっきり気持ちを伝えてくれた。

幼なじみに戻るだなんて、私にとって都合がいいだけのエゴ。


尚も吹き続ける風により、視界を覆った髪を手で払って耳にかけると、シグマの切なく潤んだ瞳でじっと見つめられている事が、とても息苦しくなる。

嫌なんじゃない。

気持ちに答えられないことが苦しくて。