みんなの冷蔵庫(仮)2

「また元通り幼なじみにって……できないよ。だって好きなんだもん」


シグマは眉を下げ、懇願するような表情で私を見つめてきた。

その顔はさっき私を抱きしめた時よりもずっと弱々しいんだけど、私の心を貫くには十分な威力を持っていた。


「凄く好きなんだもん。困らせたい訳じゃないんだけど……」


私は自分の馬鹿さ具合に走って逃げ出したくなった。

私、なんて自分勝手な事言ってしまったんだろう。

シグマを気遣うフリをして、自分に都合のいいように。