みんなの冷蔵庫(仮)2

シグマの肩を照明が照らし、顔の辺りに影ができ、よく見えなくなった。


「……りだよ」


シグマが絞り出すような声で何かを言った。


「え……?」


よく聞こえなかったのと、なんだか苦しそうな声に不安になり、シグマの顔を覗き込むようにまた半歩近寄った。


「無理だよ!」


シグマは勢いよく顔を上げ、私の目を見てはっきりとそう言った。