みんなの冷蔵庫(仮)2

「くららごめん」


後部座席に乗り込んですぐに野崎さんが言った。


「ううん」


首を横に振って笑って見せる。

野崎さんに悪気はなかった。

私があんな風にバレバレな態度をとってしまったからいけないんだ。

佐田さんは明らかに私の気持ちを知ったはずなんだけど、受け止める事も、突っぱねる事もなく、最初から何もなかったように、蓋をした。

いや、どっちかというと私に蓋を閉めさせた。