佐田だからだと、僕にはすぐに分かったのに。

佐田だから、こんなに無防備に眠ってしまったのだと。

どうして佐田はあんな風にくららの心にすんなり入り込めたのだろう。

僕にはできなかったのに。

くららが僕のシャツの端を持って寝ることは一生ないだろう。

そんな風に考えてから、すぐにくだらないと笑いが出る。

もう完全に嫌われたかもしれないのに。


シグマの父親の件、確かに調べることはできる。

しかし、いい結果ではない気がする。

僕がそうだったから。