みんなの冷蔵庫(仮)2

ナメクジの伸ばしたままの手は、もうあと数センチで私に触れる。

後ろにいる京極の胸に背中が触れるのも構わず、私は思わず体重を後ろにかけて身を硬くした。

怖い。

まだナメクジの姿の方が良かった。

うっすら笑みは浮かんでいるものの、生気のない綺麗な顔は怖い。


「色がない方がいんです。やりやすいんですよ」


そう言って、ナメクジは私のスカートへと視線を移した。


「スカートの色が濃いから、脱げるなら脱いだ方が早いかもと思っただけですから、無理ならいんです」


ナメクジは淡々とそう言い、視線を上げて私の右のひじにぎこちなく触れた。

ひんやりした感触。

でも、その動きのような硬さはなくて、まるで人に触られたような適度な弾力があった。