みんなの冷蔵庫(仮)2

「手を出して」


その美しい「モノ」は、私に向かってゆっくり両手を差し出した。

優雅というには程遠い、機械的というか……油の足りないロボットみたいなその動作が、ますます生命体ではない違和感を漂わせる。

いきなり出せと言われても、そんな違和感ありありの存在に向かって手を伸ばすことはできなかった。

ただもうびっくりして、体全体が固まっていたってのもあるけど。


「手助けをしようとしてるんです。さあ、出して」


ナメクジ――もはやナメクジじゃないんだけど、どう呼んでいいのかわからないからやっぱりナメクジ――は、無表情の蝋人形のように美しい顔をこちらに向けた。