おそらく野崎さんより一枚も二枚もうわてだと思われる、この女の人の深紅の唇から紅い舌が出るところを想像して、ゾクリとした。
女の人は年齢不詳の魔女のように微笑み、おもむろに大きなブランド物のバッグを開いた。
「こんな時間に若い娘がうろうろしてていいの? リュウちゃんに電話しちゃおっかな」
女の人は私達の表情を楽しむように視線はこちらに向けたまま、バッグから携帯を取り出してみせる。
野崎さんはむっとして私の手を解き、肩を落とした。
「あなたも来てねくららちゃん」
それを降参と捉えたのか、彼女は上品な笑顔を向けてきた。
でもその薄いヴェール越しの内側には煙が立ち込め、ぎらぎらと瞳輝かせているようなイメージが湧く。
なんだかよく分からないけど、この人には誰も勝てない、そんなオーラを感じずにはいられない。
女の人は年齢不詳の魔女のように微笑み、おもむろに大きなブランド物のバッグを開いた。
「こんな時間に若い娘がうろうろしてていいの? リュウちゃんに電話しちゃおっかな」
女の人は私達の表情を楽しむように視線はこちらに向けたまま、バッグから携帯を取り出してみせる。
野崎さんはむっとして私の手を解き、肩を落とした。
「あなたも来てねくららちゃん」
それを降参と捉えたのか、彼女は上品な笑顔を向けてきた。
でもその薄いヴェール越しの内側には煙が立ち込め、ぎらぎらと瞳輝かせているようなイメージが湧く。
なんだかよく分からないけど、この人には誰も勝てない、そんなオーラを感じずにはいられない。



