みんなの冷蔵庫(仮)2

「これ……どうする?」


手の中にある意外と軽いそれを突き出すと、野崎さんは肩をすくめた。


「捨てちゃえば? その辺に」


そう言うとスタスタ歩き出してしまったので、私はガードレールのポールの上の丸くなった部分にそれをそっと置き、慌てて野崎さんの後に続いた。


もうファミレスはすぐ目の前、という時に野崎さんが小声で何か呟いた。


「うわっマジ最悪なんだけど」


とかなんとか言ったと思うけど、うまく聞き取れない。

とにかく野崎さんは突然立ち止まったので、少し後ろを歩いていた私はその背中にぶつかりそうになった。