みんなの冷蔵庫(仮)2

「泣くな。こう見えて佐田は酒が飲めないんだ。だから大袈裟なだけで、吐いたらすぐ元気になる。な?」


京極はそう言ってシンク横の小型の冷蔵庫から新しいミネラルウォーターを出し、佐田さんに手渡した。

佐田さんはそれを軽くお辞儀をして受け取り、私に微笑んで見せる。

佐田さんもだけど……あんたもダメージ受けてるじゃない。

とは、言えない。


シンクにもたれ、ゴクゴクと水を飲みだした佐田さんの横顔を見ながら、京極は自嘲気味に微笑み、話し出した。


「ふりだしに戻っただけじゃないか。別に何のことはない。むしろ犯人が誰か分かったんだから、最初よりは一歩解決に近付いたんだ」