みんなの冷蔵庫(仮)2

「知らないなら教えてやる。サーはユーミアに惹かれる。なぜならユーミアはサーを惑わす力を持ってるから。その女ユーミア持ってんだろ?」


シオくんはそう言って後ろのくららちゃんを顎で指した。

くららちゃんの顔を見たら――

体中がぎゅっとなった。

くららちゃんがすごく哀しい顔で俺を見ていたから。


「そんなわけわかんないの、関係ない! 俺はずっと……ずっとくららちゃんが好きだったんだ!」


今の危機的状況だとか不明な点を解決することよりも、それよりも何よりも。

俺はくららちゃんにそのことを伝えたかった。

なのに。

俺がそう言うのを聞いて、くららちゃんは余計悲しそうな表情になってしまった。


「はいはい」


シオくんが馬鹿にしたようなその言い方、俺は今までの人生で一番ってくらい腹が立った。


「シオ、喋り過ぎ」


リビングで腕組みをしていた男の人が、ため息混じりに言った。
かすれたような、珍しい声。