みんなの冷蔵庫(仮)2

「飲めないの? つまんないなぁ。せっかくお金持ってるのに」


野崎さんは紙袋の底からガサゴソ音を立てながら、半分に折り曲げられた茶色の大きな封筒を取り出した。

広げると長方形に膨らんでいる部分がある。
ちょうどお札くらいの大きさだ。

封筒の中に手を突っ込み、それを引き出す。

さっき京極にくれと言っていた十万円かと思いきや、取り出されたそれはかなりの厚みで、その三倍はありそうだった。


「なにこれっ?!」


野崎さんの得意げだった顔はみるみる変化した。

最初は驚き過ぎて声も出ない、て顔で……段々悔しそうな顔になる。

そしてすぐに真っ赤になり、怒っているようだった。